ラーメン・他

 「ラーメン」という食べ物に期待されるものがますます高まっている現代において、学食のラーメンは正直なところラーメンを名乗る資格がないと言われても仕方がないレベルの見た目・構成である。

 もちろん、あのようなオールドスクールなラーメンこそがラーメンであり近年隆盛しているやけに凝った(私はスープを超音波?かなんかで細かく泡立ててあるラーメンを食べたことがある)ラーメンは女子供の食い物、ましてや、つつつつけ麺などは言語道断、つけ麺なるものは存在しない、存在するのは「つけそば」だけなのだ、などと主張する手合いもいるにはいる。しかしこれは現代のラーメン・つけ麺事情への単なるカウンターであり、やっぱり学食のラーメンめいたラーメンこそが美味いラーメンであるというのは間違いであろう。その証拠に、そういう手合いが一番喜びそうな、豪徳寺にある200円ラーメンは、普通にまずかった。

 ところで私は今日学食に行ったものの昼食をとる時間はあまりなく、サッと食べられるメニューを頼まざるを得なかった。そうすると丼か麺が適当なのだが、何となく米の気分でもなし、うどんとか蕎麦というものに対してなぜか「病人の食い物」というイメージを持っていることもあり、必然的にラーメンを食べることになった。もちろん、あの、「学食のラーメンじみた学食のラーメン」である。最近は学食の癖にブームに乗った形のラーメンを出そうとして中途半端に終わるケースが散見されるが、そういう学食の背伸びは、我々に「あんまり美味くねぇ」という思いばかりか「まんまと釣られて軽薄なメニューを注文した自分が恥ずかしい」という思いまでも抱かせるので最悪である。

 話が逸れたが、仕方なく今日の昼飯はその学食のラーメンじみたラーメンを食べることにした。もちろん味に期待などしていないから、七味とコショウをめちゃくちゃかけた。レジを通った先にある調味料置き場に到達するころにはすでにあのやけに黄色い麺は伸び始めており、スープから大半が露出していたので、かけられた七味やコショウをスープ全体に拡散させるためにチャプチャプとかき混ぜなければならなかった。巷のラーメンとは違いスープが完全にサラサラの液体なので、チャプチャプ音が鳴るのである。

 

 んで食ってみたら、しょっぱくてめちゃめちゃ美味かった。また食おう。

 

 ラーメンの話はこれで終わりで、夜、これを書く前にsyrup16gの新譜をAmazonで注文した。明日届くのが楽しみである。そのあと久々にシロップのアルバムを聴きながら日記を書いている。高校~大学にかけてシロップやアートスクールを聴いて育ったというのはちょっと恥ずかしいが、大切な思い出というか自分の一部なので聴くとやはりいい。